文部科学省は8日、通常より高い放射線量が検出された校庭・園庭の線量を低減させる「上下置換工法」の実地検証を福島市の福島大付属中と隣接する同大付属幼稚園で行った。表層と下層の土を入れ替えることで線量が9割減少することを確認した。各地の校庭・園庭は地中構造が異なるため、置換する土の厚さなど具体的な方法を複数検討し、自治体に提言したい考えだ。
日本原子力研究開発機構に依頼し、園庭など3カ所で計測した。園庭では、深さ50センチ分の土を置換する工法を検証。土の表面の線量は入れ替えにより毎時2・1マイクロシーベルトから0・2マイクロシーベルトに下がった。校庭と砂場では土を掘る深さを変えて線量を計測した結果、数センチ以上掘れば減少することが分かった。同省は近く検証結果を公表する。
校庭・園庭によっては地中に砂利があるケースや、完全な表土除去を望む声もあるため、同省は掘る深さ、除去した土を一カ所に埋める方法など個々の状況に応じた選択肢を示す方針。
(カテゴリー:福島第一原発事故)