東日本大震災アーカイブ

飯舘の全村避難、柔軟に対応 岡田幹事長が来県し村長と会談

 民主党の岡田克也幹事長は8日、福島第一原発事故に伴い、計画的避難区域に指定された飯舘村を訪れ、菅野典雄村長らと会談した。村民の避難について、「基本は村外に出てもらうことだが、例外的な問題もしっかりと対応していく」と述べ、柔軟に検討したいとの考えを示した。

 菅野村長は「できる限り全村避難は避けたい」とし、妊婦や子どもを避難させながら、村の機能や村民の生活を最低限維持する政策を要望。高齢者は避難時に健康上のリスクが伴うことも強調した。

 岡田幹事長は記者団に対し、「(避難の例外について)現場の判断が大事。国として一定のルールに基づき尊重していく」と述べた。畜産農家への補償について、国の対応が遅れたとの認識を示し、「補償の基準、殺処分した場合の対応などを整理し、国の方針を示さなければいけない」と国に早急な対応を求める考えを語った。

 地震や津波に加え、原発事故の被害を受けた本県について、他県との違いを踏まえた復興計画づくりの必要性を指摘した。

 岡田幹事長は同日、福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域に入り、浪江町で遺体捜索に当たる警察官らを激励。南相馬市の養豚場、20キロの境からわずかに内側にあり業務停止中の化学工場も訪れた。このほか、遺体安置所となっている相馬市の旧アルプス電気相馬工場を訪ね、犠牲者に哀悼の意を表した。川俣町や福島市の避難所も訪問した。

カテゴリー:福島第一原発事故