東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域にある葛尾村と川内村の一時帰宅は12日、行われた。葛尾村は初めてで17世帯27人、10日に続いて2回目の川内村は28世帯43人が参加した。複数自治体が同時に行うのは初めて。
両村とも中継基地に川内村民体育センターを使用した。参加者は防護服やマスクなどを着用し、村ごとにバスなどで出発した。滞在後、中継基地でスクリーニングを受けた。個人の累積放射線量は川内村は0~1マイクロシーベルト、葛尾村は3~38マイクロシーベルトだった。除染が必要な人や荷物はなかった。
出発時間を村ごとに1時間程度ずらしたため、前回10日の一時帰宅で課題になったスクリーニングの待ち時間の長さは解消された。前回署名を求めて住民から不満が出た同意書は「確認事項」となり、「自己責任」の文言が削除された。
10日、12日の計2回の一時帰宅について内閣府の上田英志審議官は「トラブルもなく終了できた。改善点を点検し、安全性を高め、(参加者の)負担感を軽減したい」と語った。
警戒区域を持つ他の7市町では田村市が22日を軸に調整している。他の6市町は13日に設置されるコールセンターで希望者を募り、今月中旬以降の実施を目指す。
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