南相馬市原町区の相馬農高のサテライト開校式は12日、協力校である相馬市の相馬高で行われ、1~3年生214人が新たなスタートを切った。
震災犠牲者に黙とうをささげた後、二本松義公校長が「津波で若い命を亡くした仲間らの分も精いっぱい生きてほしい。校訓の一つ、くじけず勇気を持ってやり抜く『不屈敢行』を合言葉に困難を乗り越えよう」とあいさつした。
相馬農高生は南相馬市からバスなどで通学し、相馬高や近くの旧相馬女高などを利用して授業を受ける。受け入れ先には農業実習に必要な設備がないため、実習先の確保などに課題を抱えたままの船出となった。
生徒会長で生産環境科3年の堀川翔矢君(17)=南相馬市小高区=は原発事故の影響で避難先の原町二中から通学する。「ようやく学校が始まった。友人に会えてほっとした気持ちと不安な気持ちが入り交じっている。与えられた環境の中で皆で頑張っていきたい」と前を見据えた。
■飯舘校は18日始業
飯舘村が原発事故の計画的避難区域になったことから福島市の県教育センターに学校機能を移す相馬農高飯舘校の授業開始日が18日に決まった。午後一時から始業式を行う。12日、県教委が発表した。
当初、4月21日に予定していたが、区域指定に伴い延期されていた。23人の1年生を含む81人が新学期をスタートさせる。
(カテゴリー:福島第一原発事故)