佐藤雄平知事は15日、浪江町請戸地区などで行方不明者の捜索を続ける自衛隊、警察関係者を激励した。佐藤知事が東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内で捜索状況を視察したのは初めて。
佐藤知事は相馬市の遺体安置所で焼香して犠牲者を慰霊した後、浪江町の請戸川で捜索活動を視察した。県警や消防関係者らが整列すると佐藤知事は「一刻も早く遺体を確認したい気持ち。皆さんの活動に感謝する」と述べた。
現場のがれきから発見された家族写真などが収められたアルバムを手に「避難者や遺族にとって大切な遺留品を探しながらがれき処理を進めるのは困難な作業。一つ一つの遺品を丁寧に扱ってもらっていることに頭が下がる思い」と語った。さらに浪江町中浜地区で自衛隊員を激励。森脇良尚陸上自衛隊第44普通科連隊長が出迎え、作業の進捗(しんちょく)状況を説明した。
視察を終えた佐藤知事は「安全、安心対策を進めていかなければならないとあらためて思いながら焼香した。捜索している人の気持ち、姿を本県の復興につなげていきたい」と力を込めた。原発については「安全が原子力行政の中では大前提とあらためて感じた」と述べた。
(カテゴリー:福島第一原発事故)