県は学校や幼稚園などの放射線量低減に向け、校舎やプールなどの洗浄に乗り出す。高圧洗浄機を県立学校107校全てに設置する。市町村が小中学校などに設置する場合は購入費の二分の一を補助する。補助対象は約2100カ所に上る。靴に付着した泥を落とすマットの設置も推進し、屋内の放射線量が高まらないよう環境を整える。県は7日に佐藤雄平知事が専決処分した平成23年度一般会計補正予算(第3号)に事業費1億1700万円を盛り込んだ。
学校関係者や保護者らの放射線量への不安解消につなげるのが狙い。高圧洗浄機は1分間に約6リットルの水を高圧で噴射し、対象を洗浄する機械。洗浄するのは校舎の外壁や雨どい、側溝、プール、窓ガラスなどを想定している。
県によると、雨どいや側溝などは一般的に放射線量が高く、プールは洗浄すれば放射線量低減の効果があるとされている。県は使い方や洗浄する場所など基本事項をまとめ、7月下旬までに各校に機械を設置する方針。学校側は洗浄の頻度などを検討し、基本事項を基に教職員が機械を使用する。
泥落としマットは県立学校1校につき2枚を配布する。県によると、靴に付着した泥などに放射線が含まれるとされており、県はマット設置により校舎内に泥や砂が入りにくくする。
高圧洗浄機やマットが配備されるのは警戒区域や計画的避難区域、緊急時避難準備区域を除く高校86校、特別支援学校20校、中学校一校となる。
県が高圧洗浄機やマットの購入費の二分の一を補助するのは小中学校のほか、私立を含めた幼稚園や保育所など。
県教育庁は「児童生徒や保護者らの安心のため必要な取り組み。配布後は定期的、継続的に使ってほしい」としている。
(カテゴリー:福島第一原発事故)