東日本大震災アーカイブ

摂取制限の野菜を出荷

 二本松市のJAみちのく安達は7日、東京電力福島第一原発事故の影響で出荷と摂取が制限されている本宮市産のカリフラワー18個を誤って出荷し、郡山市のスーパー「イオン郡山フェスタ店」で4日までに全て販売していたと発表した。現時点で健康被害の報告はないという。
 JAみちのく安達によると、本宮市の生産者がカリフラワーの出荷が制限されていることを知らずにJAの集荷場に出荷した。JAはフェスタ店に持ち込み、店内の同JA生産者コーナーで1、2、4日の3日間販売した。
 集荷場とフェスタ店で、それぞれの担当者が県のリストを基にチェックしていたが、勘違いや見落としが重なったという。6日昼にJAの管理担当職員が気付いて事実を確認し、店や県などに報告した。
 同JAは確認を二重にするなど再発防止策を徹底する。フェスタ店の生産者コーナーは一時閉鎖している。
 カリフラワーは国が示す基準値以上の放射性物質が確認されたため、本宮市を含む地域が制限の対象になっていたが、近く解除される見通しとなっていた。
 斎藤道雄代表理事組合長らが郡山市で記者会見し、「あってはならないこと。責任の重さをかみしめている」と謝罪した。
 イオン郡山フェスタ店は6日、生産者コーナーにおわびと商品回収を呼び掛ける張り紙を掲示するとともに、コンテナ九箱から野菜などを回収した。
 三春町から来店した主婦(49)は「なぜチェックから漏れたのか」と首をかしげ、「最終的には消費者が注意するしかない」と話した。郡山市内の無職男性(75)は「あまり気にならない。該当する野菜を食べると体に害があるのだろうか」との疑問を口にした。

カテゴリー:福島第一原発事故