原発事故から3カ月。放射線量の問題で屋外での体育や水泳が制限されている中で、福島市の小学校では10日、表土除去が進んだ校庭で屋外活動を復活させたり、屋内プールでの水泳授業が始まったりした。久しぶりに校庭やプールに児童の歓声が響きわたった。
■福島の渡利小児童の屋外活動再開
環境放射線モニタリング調査を受け、屋外活動を制限していた福島市の渡利小(高橋友憲校長)では、児童の屋外活動を再開した。当面は休み時間のみで、校庭に新しい土を搬入する今月末をめどに、屋外での体育の授業を再開する。
校庭の表土除去が3日までに完了したため再開した。ただ、マスクと帽子の着用や、長袖を着て肌の露出を極力避けるなどの制限を付けた。
休み時間になると、児童が一斉に校庭に飛び出し、友達と元気に遊び回った。ドッジボールで体を動かした鈴木舜平君(6年)は「外で遊べなかったので、ずっと楽しみにしていた。次は鬼ごっことサッカーをしたい」と大喜びだった。
同校は10日までに、通学路の放射線量を記したマップを作り、保護者らに配布している。教員が独自に線量計で学校周辺の約40カ所を測定した。今後も定期的に測り、保護者らに発表する。
■水泳楽しむ 福島の小学校授業スタート
屋外プールを使った授業を中止した福島市は、市内岡部の施設「ヘルシーランド福島」で小学校の水泳の授業を開始した。9月下旬まで県北地方の民間のプールなどを利用して、各校二時間程度、水泳の授業を実施する。
初日のこの日は佐倉小(二瓶篤子校長)の全校児童約140人が訪れた。学年ごとにコースに分かれ、クロールや平泳ぎなどを練習した。低学年は水遊びなどを楽しんだ。
友達と元気に水遊びを楽しんだ松野麗さん(一年)は「ずっと楽しみにしていた。バタ足をたくさん練習できてよかった」と喜んでいた。
市教委によると、プールを使った授業の他、DVDや座学などで泳ぎ方を学び、年間10時間程度の水泳の授業に充てるという。
(カテゴリー:福島第一原発事故)