原発事故の影響で計画的避難を進める飯舘村で30日、スーパーやガソリンスタンド、郵便局、路線バスが営業を休止した。避難先が決まらない村民がまだ約100人いるが、暮らしを支えるインフラが次々にストップし、生活は厳しくなった。
スーパーはAコープ飯舘店がこの日で営業を終了し、村内で開店している食料品店はなくなった。店舗には村民や、避難先から同店だけで使える商品券を持った買い物客が訪れた。ガソリンスタンド3店も営業を終えた。
JAそうま飯舘総合支店は1日で営業を休止し、4日から同支店と飯樋出張所が南相馬市石神の原町営農センター内に移る。庄司正直支店長は「商売にはならなかったが、Aコープもガソリンスタンドも営業を継続してきた。村を支援する社会的責任は果たせたと思う」と話した。
村内のガソリンスタンドは草野の北原商店だけとなったが、いつ営業を休止せざるを得なくなるか分からない。飯舘、飯曽、二枚橋、大倉簡易、小宮簡易の5つの郵便局も30日で郵便集配、貯金・保険などの窓口業務を終了した。郵便物は川俣局の対応となる。
同村草野-川俣町間で運行していた福島交通の路線バスも30日で休止となった。村内で9事業所が操業しており、水道、電気は通常通りに使える。
飯舘村民の避難先となる仮設住宅が次々に完成し、相馬市の仮設住宅への入居が1日から始まる。福島市飯野は9、10の両日、同市の松川工業団地、松川小と伊達市伏黒は23日ごろになる見込み。入居予定は合わせて約620戸。
(カテゴリー:福島第一原発事故)