東日本大震災アーカイブ

土壌洗浄を実験 郡山で芝の「深刈り」

近藤教授(左)の指示を受けながら芝を刈る作業員=郡山

 芝生の放射線量低減のため県が採用する方針の「深刈り工法」の手順と効果を確認する実証実験が4日、郡山市の逢瀬公園で行われた。実験の結果、芝剥ぎ機を使った表土は平均毎時0・47マイクロシーベルトから0・09マイクロシーベルトに下がったため、県は同公園の芝生の放射線除去を同工法で行うことを決めた。他の施設にも導入するか、一般家庭にも勧めるかは結果を精査して判断する。

 実験は園内の芝生を数メートル四方に区切って行われ、家庭用と業務用の芝刈り機と芝剥ぎ機計八種類を使った。

 深刈り工法は放射性物質が漂着した「サッチ層」という芝生の根元にたまっている枯れた芝の部分と表土約1センチを一緒に削り取り、芝の根を残す。提唱している東京農大地域環境科学部造園科学科の近藤三雄教授が実験を指導した。近藤教授は今回の実験を基に深刈り工法のマニュアルを作る。家庭用の芝刈り機は表土ごと刈り取る設定ができないため、金属板を使って刃の位置を下げた。荒刈り用や仕上げ用などで順に刈った。

カテゴリー:福島第一原発事故