福島第一原発事故に関する損害への賠償と事故収束に向けた取り組みに関する東京電力の説明会が1日、福島県の川俣町中央公民館で開かれた。東電が示した賠償の算定基準などについて出席者からは「精神的損害は一人一人違うし、一カ月で最大12万円では安すぎる。再検討してほしい」「宿泊費について、親戚宅に泊まった場合の補償はどうなるのか」などの意見や質問が相次いだ。
山木屋地区住民を中心に町民約300人が出席した。東京電力福島原子力被災者支援対策本部の新妻常正副本部長があいさつし、永名修平福島補償相談センター所長らが本補償の概要や事故収束に向けたステップの達成状況などを説明した。
住民からの意見や質問に対し、東京電力の担当者は「精神的苦痛は一人一人違うとは思うが、専門の審査会で検討して出した数字。ご理解いただきたい」「宿泊費用の支出がない場合はお支払いできないが、実際に支出があった場合は相談に応じる」などと答えた。
住民からは「除染は全て東京電力が責任を持って行うべきだ」「現在も放射性物質が放出されているとあったが、どの程度か」などの意見や質問もあった。東京電力は「国、県、市町村を含む全体的な体制の中で、できる限りの責任を果たしたい」「計測によると福島第一原発の敷地境界で1時間当たり0・05マイクロシーベルト程度。年間にすると約0・4ミリシーベルトで、周辺地域はさらに少ない。今後も原子炉の温度を下げ、放射性物質の放出を少なくしたい」などと回答した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)