政府の原子力災害現地対策本部と県災害対策本部は4日、南相馬市で一部世帯が特定避難勧奨地点に指定されてから初となる空間放射線量の詳細調査を始めた。
継続的に放射線量を調査し、住民の健康管理や地点の見直しなどを行う。調査対象は市内で比較的放射線量が高いとされ、前回調査が行われた鹿島区上栃窪、橲原、原町区大原、大谷、高倉、押釜、馬場、片倉の8地区の829地点。7日までの3日間実施する。
調査員が宅地の玄関前と庭で、地面から50センチと1メートルの放射線量を計測した。
調査を受けた大原地区の行政区長で自営業深野良興さん(72)は、前回の調査で自宅が特定避難勧奨地点に指定され、深野さん以外の家族は千葉県に避難した。深野さんは「前回とほぼ変わらない数値だった。地区で集会所や通学路の除染には取り組むが、土の入れ替えなど民家の除染は難しい。国には子どもが安心して住める環境づくりをお願いしたい」と注文した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)