東日本大震災アーカイブ

元気な福島取り戻す 震災から半年、知事がメッセージ 

震災や原発事故からの半年を振り返る佐藤知事

 佐藤雄平知事は8日の記者会見で、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が発生してからの半年間を振り返り、「元気な福島県を取り戻さなければならない」とメッセージを発表した。
 「大地震、大津波、原子力災害、風評被害の四重苦との戦いだった」とした上で、県の放射線対策に言及。放射線量低減策として小中学校の校庭の表土除去が9割以上完了したことなどを挙げ、「さまざまな不安を抱えながらも懸命に地域のために努力している県民らの願いに応える」と述べた。
 福島市の中学生が修学旅行先の首都圏で地元産のモモを配布しながら安全性を訴えたことにも触れ、「困難に立ち向かおうとする県内の若者たちのたくましさを感じた」とたたえた。
 今後の取り組みについては、県の復興ビジョンに基づき、避難者支援、インフラ復旧、モニタリングや県土除染、県民の健康管理、産業振興などの課題に全力を尽くす考えを強調した。
 佐藤知事は記者会見で、東京電力福島第一原発事故に対する自らの責任を問われ、「(被災者に)ご苦労、心労を掛けているという思いで6カ月間過ごしている」と述べた。
 冷温停止中の福島第一原発5、6号機と福島第二原発の今後については「立地町の話を聞いて対応する」との考えを示した一方、東電が10メートルを超える大津波の予測を公表していなかったことについて「遺憾だ。(知っていれば)防護策を求めていた」と語った。
 政府が県内に整備する方針を打ち出した放射性物質の付着した廃棄物の中間貯蔵施設に対しては「国の責任でしっかり対応すべき」と述べた。

カテゴリー:福島第一原発事故