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【県内避難者】「紹介物件ない」 中通りの仮設は空き ミスマッチ課題

■賃貸も満杯
 いわき市内では、仮設住宅に入れない住民の受け入れ先になるはずのアパートやマンションもほとんど空きがない。「今の住民が引っ越さない限り物件は紹介できない」。県宅地建物取引業協会の作山勝広いわき支部長は表情を曇らせる。
 震災直後の昨年4月から借り上げ住宅の需要や、復興関係の労働者の流入で物件が次々と埋まった。200人以上が入居待ちをしている不動産会社もあるという。売り家も条件のいいところから契約が決まっており、市内のある不動産会社社長は「異動時期なのに、紹介する物件がなく利益も上がらない」と嘆く。
 市内に事業所を置くある物流業者(本社・山形市)は今春の定期人事異動で、転出で空いた物件に転入者を入居させて対応する。男性支店長(60)は「家族構成によって希望は違うが、自由に物件を決められない」と困惑する。

■防犯に不安
 いわき市に入居希望者が殺到している一方、中通りを中心に仮設住宅の空きが目立つ。大玉村にある富岡町の安達太良仮設住宅は630戸のうち、入居戸数は271戸。約6割の359戸が空いたままだ。
 自治会長の鎌田光利さん(56)は「雪が多いことやスーパーから遠いことが入居者が増えない要因」と分析する。敷地が広く、空きが多いため、防犯面の不安があり、警察署に夜間の巡視活動を増やすよう依頼している。
 富岡町災害対策本部住宅支援班によると、昨年4月、県に400戸の仮設住宅を要請した。大玉村から多くの建設用地の提供を受けたため、県の提案で予定より多い建設戸数となったという。担当者は「町内の企業は相次いで、いわき市に事務所を構え、今後、大玉村の仮設住宅の入居者が増える可能性は低い。県には解体し移築することも考えてほしいとお願いしている」と打ち明けた。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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