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県内4%、3県で最低 沿岸部の震災がれき処理 原発事故響き難航

 環境省は21日、東日本大震災で本県、岩手、宮城両県の沿岸市町村で発生した災害がれきの処理状況を初めて発表した。警戒区域を含む県内沿岸10市町の推計量208万トンのうち、焼却や再利用などによる処理が済んだ量は9万トンで、割合は4%にとどまり、3県で最低だった。仮置き場への搬入率も59%と他県より低い。がれきの量が膨大な上、東京電力福島第一原発事故により放射性物質を含んだ焼却灰の行き場がないことなどが背景にある。国は平成26年3月の処理完了を目指しているが、達成は極めて難しい状況だ。
 環境省は昨年5月、「震災にかかる災害廃棄物の処理指針」を発表。平成24年3月末までに仮置き場への搬入を完了し、26年3月末までに処理を終えるとする工程を示した。しかし、実際には搬入も処理も滞っているのが現状で、同日記者会見した細野豪志環境相兼原発事故担当相は「このままで推移すれば、(処理完了の)達成は極めて厳しい」と述べた。
 10市町のうち、警戒区域に入る浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉の5町は全く手付かずの状態。その他の5市町のうち、津波で発生したがれきを回収し終えた相馬市と新地町で搬入率が90%を超えているが、解体する建物が残るいわき市と広野町、一部に警戒区域を含む南相馬市は思うように進んでいない。
 さらに処理率は軒並み低迷している。いわき市の10%が最大で、相馬、広野、新地の3市町は1けた台。南相馬市は今も分別の段階で、処理は滞っている。仮置き場に搬入できても、その後の処理ができない現状が浮き彫りとなった。県一般廃棄物課は「市町にある焼却施設は生活ごみを想定しており、膨大な災害がれきを受け入れるのは困難。処理能力に限界がある」と指摘する。
 仮設焼却施設を次々建設し、処理が加速し始めた岩手、宮城両県とは対照的で、同省廃棄物対策課は「福島も仮設焼却施設を造らなければ対応できない」とし、市町と協議を進めている。
 ただ、本県の場合は原発事故の影響で、国の定めにより他県のように県外にがれきを持ち出して広域処理を依頼することはできない。各市町は地元で処分するしかないが、「焼却して放射性セシウムが高濃度となった灰の埋め立てや、焼却そのものに住民の理解を得ることが難しい」(相馬市生活環境課)という課題がある。

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