東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

南相馬に絆診療所きょう開所 住民の願いで医師帰還

花で彩られた絆診療所

 元南相馬市立小高病院長の遠藤清次さん(55)は1日、市内鹿島区の仮設店舗に「絆診療所」を開所させる。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後に病院を退職し、猪苗代町立病院に勤務していたが、鹿島区の仮設住宅に入居している小高区住民から「戻ってほしい」と要請を受けて開業を決意した。30日、有志による祝賀会が開かれた。
 遠藤さんは、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きた昨年3月、小高病院長を務めていた。一人の犠牲者も出さずに患者らを避難させ、病院がある小高区は警戒区域となった。「自分の役割は終わった」。病院を退職し、昨年5月から猪苗代町立病院で3000人を超す避難者らの診察に当たった。
 転機が訪れたのは昨年9月。震災前に小高区の住民で発足した「小高病院を守る会」の会員が猪苗代町に出向き、小高区民が鹿島区の仮設住宅に戻り始めたことを遠藤さんに伝えた。その後も「区民が待っている。戻ってほしい」との要請が相次いだ。遠藤さんは「仮設住宅の孤立死を防ぎ、健康を守るきっかけになれば」と南相馬市への帰還を決断し、今年1月末で町立病院を退職した。
 「仮設住宅の近くで仕事をしたい」。鹿島商工会のあっせんで市内寺内字三里の仮設店舗内に診療所を設けた。多くの人の絆で開業できたことに感謝し、「絆診療所」と命名した。長野県の諏訪中央病院の名誉院長を務める鎌田実さんが看板を書いてくれた。30日は猪苗代町の医師仲間今田剛さんら有志30人が訪れ、プランター70個に花を植えて祝福してくれた。
 祝賀会は市内原町区のロイヤルホテル丸屋で開かれた。中里祐一市健康づくり課長、樋口利行相馬郡医師会長、石原開南相馬市医師会長、沢田一夫鹿島商工会長が祝辞を述べた。遠藤さんは「この年で開業するとは思わなかった。訪問看護などと協力して市の復興に尽くしたい」と誓った。
 診療所の受け付けは午前8時半から11時半までと、午後1時半から4時半まで。水曜日と土曜日の午後は休診。電話は0244(26)9699。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧