双葉町の井戸川克隆町長は10日、いわき市の南台仮設住宅集会所で開かれた住民説明会で東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域の再編について「住民に納得してもらわないと危険だと思っている」と述べ、再編に消極的な姿勢を示した。
井戸川町長は区域再編と賠償手続きが関連していることに「納得できない」と強調。政府主導で区域再編するのではなく、「住むことができるかできないかは町民が決めるべき」と訴えた。その上で「おかしいと思ったらおかしいと声を出していかなければならない」と町民に呼び掛けた。
双葉町は8月23日から県内外で計17回にわたって住民説明会を開催してきた。10日の説明会で全日程を終了した。井戸川町長は町内全域を帰還困難区域とすること、住民が生活再建できる十分な賠償を実現することを引き続き政府に求めるとし、「説明会を通じて多くの課題が浮き彫りになった。住民の声に回答するために努力したい」と述べた。
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