東日本大震災

「3.11大震災・断面」アーカイブ

  • Check

復興へ長い道のり 短・中期で計画、施策

町の諸課題について語る渡辺町長

 大熊町が21日に決定した第1次町復興計画は、復興に向けた町の取り組みを短期、中期に分けて説明している。
 計画のポイントは以下の通り。おおむね5年後の町のあるべき姿を示した。5年間は帰町しないことのほか、短期的な取り組みとして賠償の早期実現、住環境や学習環境の確保、古里での効果的な除染を挙げている。町民の帰還意向にかかわらず、支援していくことも盛り込んだ。計画は一般町民や若手職員らでつくる検討委員会が案を取りまとめた。

【第1次大熊町復興計画のポイント】
●町は5年間帰町しないと判断
●短期的取り組みでは賠償の早期実現、住環境や学習環境の確保、古里での効果的な除染を行う
●中期に向け会津若松市の拠点強化、大川原地区の除染と治安維持拠点整備、いわき市周辺への拠点設置などに当たる
●町外コミュニティーや中間貯蔵施設などで町として重要事項を決定した場合は第2次計画を策定
●帰還の意向にかかわらず、町民が安心して暮らせるよう支援

    ◇  ◇
 町は27日に会津若松市、30日にいわき市で、居住制限区域の大川原、避難指示解除準備区域の中屋敷の住民を対象に説明会を開き、5年間戻らない方針に理解を求める。大川原の住民に対しては先行除染についても説明する。

■渡辺利綱 大熊町長に聞く 故郷再建へ苦渋の選択 
 大熊町の渡辺利綱町長は21日、福島民報社のインタビューに答え、町議会で第1次町復興計画が可決されたのを受け「5年間帰還しないのは苦渋の選択だったが、東京電力福島第一原発事故から古里を取り戻す長い道のりの第一歩を踏み出したともいえる」と述べ、町や町民を取り巻く諸課題についての見通しを語った。
 -区域再編により賠償が本格化するが。
 「田畑や山林の基準などが出そろっていないが、土地や家屋、家財賠償については一応の基準が示された。町民の生活再建の柱であり、個別協議などに不安な部分もあるが早期賠償に向け、町としても働き掛けていく」
 -大川原地区で国による除染も始まる。
 「今年度は先行除染が行われ、民家や森林、田畑などで試験的に取り組む。25年度の本格除染と合わせて効果を見極め、最終的な目標でもある古里の大地を取り戻すことに役立つ成果が得られることを期待する」
 -中間貯蔵施設の受け入れについては。
 「必要性は認めるが、現段階では判断材料が乏しい。負のイメージだけでなく、研究や人材育成、雇用などプラス面も示してもらいたい。減容化や運搬方法など安全策も不透明。町民への説明責任も果たしてほしい」
 -町外コミュニティーはどうするか。
 「長期間帰れないのだから、住環境の整備は喫緊の課題。会津若松、いわき両市だけでなく福島、郡山両市なども含めた複数箇所に整備することを視野に、条件が整ったところからできるだけ早く確保したい」
 -避難先での教育環境の整備も課題だ。
 「会津若松市では会津大からソフト、ハード両面での協力をしてもらい、大熊中生の教育環境が図られる。一方いわき市周辺では具体化しておらず、双葉郡の各町村と連携しながら議論していく必要がある」
 -将来の帰還に向けた考えは。
 「みんな古里に戻りたいという気持ちはあるだろう。帰りたい人がいる限り、時間がかかっても帰れる環境を整えるのが基本。ただ、戻らないという町民の支援も続ける。どういう選択をしても大熊町民は一つ」

カテゴリー:3.11大震災・断面

「3.11大震災・断面」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧