東京電力福島第一原発事故で、郡山市から東京都江東区の国家公務員宿舎「東雲(しののめ)住宅」に自主避難していた1人暮らしの無職男性(49)が孤独死していたことが31日、分かった。遺体は1月5日に見つかり、死後約1カ月が経過していた。
東京都によると、昨年12月28日、男性方の郵便受けに郵便物がたまっているのを不審に思った管理人から都に通報があった。都は県内にいる男性の両親に連絡し、1月5日、両親と都職員、警察官が部屋に入ったところ、倒れている男性を発見した。男性の死因は心疾患だった。
2012年12月末現在、東雲住宅には本県から549世帯1124人の避難者が入居している。男性は平成23年11月18日から入居していた。
男性は平成3年4月から郡山市社会福祉事業団に勤務し、19年11月に自己都合で退職した。事業団が運営する障害者福祉施設などで事務作業をしていたという。
都は「自治会や社会福祉協議会、江東区などと連携して見回り活動を強化し再発防止を図りたい」としている。
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本県から東雲住宅に避難している男性(60)は「亡くなった男性は積極的にほかの住民と交流する人ではなく、避難住民の会合にも出てこなかった。1人で部屋にこもりがちだと周囲が動向を把握するのは難しいが、住民同士で見回りを続けるしかない」と話した。
(カテゴリー:原発事故関連死)