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寝る間 惜しみ仕事

■南相馬市鹿島区南右田 黒田みつ子さん(53)

 みつ子さんは温和な性格で、誰に対しても優しく周囲から親しまれていた。
 南相馬市の鹿島中を卒業後、集団就職で岐阜県で働き、地元の定時制高校を卒業した。鹿島区に戻ると服飾製造会社に勤めた。母親の故静江さんが病で倒れた時は近所にある実家に通って介護を続ける一方、パートや内職で家計を支えた。いつ寝ているのか分からないほど働いた。長女有利さん(29)が夜勤で帰りが遅くなっても起きて待っていた。仕事柄、裁縫が得意で家族はもちろん、近所の人の服の裾直しも快く引き受けた。有利さんと長男光晴さん(33)は、みつ子さんを悼む人の多さに、人柄の良さをあらためて感じた。
 地震発生時、みつ子さんは勤め先の会社にいた。同居する孫らの安否を心配し、同僚に自宅近くまで送ってもらった。避難誘導中の消防団員がみつ子さんを目撃しており、自宅に戻った際に家ごと津波に流されたとみられる。
 震災から2年を迎え、光晴さんは「母が心配しないよう家族で仲良く暮らしたい」と誓っている。

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