東日本大震災の影響で停電し、消灯していた富岡町の小良ケ浜灯台がほぼ2年ぶりに再点灯する。最終準備を進めており、15日以降になる見込み。本県沿岸部の避難区域では唯一の灯台で、福島海上保安部が船舶航行の安全を目的に点灯を決めた。
灯台は地震による建物への被害はなかったものの、東京電力福島第一原発事故の影響で復旧工事ができず、送電が停止したままだった。現地は帰還困難区域となっており、一般の立ち入りは制限されている。
現在、沿岸部近くでは相馬双葉漁協による試験操業が行われているほか、沖合では大型貨物船やフェリーなどが行き交う。同部の佐藤博交通課長は「今まで、はるか沖合を航行していた船にとって『復興の光』となり、安全な海の道しるべになる」と話す。今後、機器の点検や天候の様子を見ながら、再点灯させる。
小良ケ浜灯台は昭和30年に初めて点灯し、海の安全を見守ってきた。
高さは約10メートル。8秒に1回閃光(せんこう)を放ち、沖合約32キロまで光が届くという。
(カテゴリー:福島第一原発事故)