東日本大震災アーカイブ

国責任で再発防止を 第一原発汚染水漏れ 県「東電任せ」批判

 東京電力福島第一原発内の地下貯水槽の汚染水漏れなど同原発の相次ぐトラブルを受け県は8日、原子力規制委員会と環境省、経済産業省資源エネルギー庁に対し、国の責任で再発防止対策などを進めるように緊急要望した。昨年9月の規制委発足以来、県の申し入れは初めて。佐藤雄平知事が同日朝の県災害対策本部会議で「国の姿が見えない」と東電任せの国の対応を批判し、申し入れを指示した。
 県は、同原発の核燃料プール冷却系や汚染水処理設備の停止などのトラブルを受け、国の監視体制の甘さも要因と判断した。
 国に対する県の要望は(1)東電への監視体制強化(2)作業の安全性向上と確実な作業管理のための対策を東電に求め確認する(3)汚染水の処理計画の見直し(4)中長期ロードマップの進捗(しんちょく)の県民への説明-の4項目。
 都内の原子力規制委を訪れた内堀雅雄副知事は、田中俊一委員長(福島市出身)に「東電の取り組みを監視するとともに、政府全体としての対応をお願いしたい」と求めた。
 田中委員長は「縦割りでやるということではなく、関係機関と相談しながらやりたい」と各省庁が連携し、東電の監視に当たる考えを示した。

カテゴリー:福島第一原発事故