東日本大震災アーカイブ

小高郵便局が業務再開 旧警戒区域初、2年1カ月ぶり

再開した郵便局の窓口で相談する住民

 日本郵便は10日、東京電力福島第一原発事故の避難指示解除準備区域にある南相馬市小高区の小高郵便局を再開した。旧警戒区域の郵便局が営業を再開したのは初めて。 
 市が一時帰宅する住民や避難区域内で操業を再開した事業者の利便性を図るため、早期の再開を求めていた。3月までに敷地内の除染や上下水道の復旧などを終えて原発事故以来、約2年1カ月ぶりに再開した。 
 初日は住民が避難先から訪れ、窓口で社員が相談に応じた。同市原町区の借り上げ住宅に避難している田代豊美さん(72)は「なじみの郵便局に通えるのはやっぱりうれしい」と話した。 
 同局では昨年10月から稼働している現金自動預払機(ATM)の他、3人の職員が郵便や貯金などを取り扱う。郵便物の集配は行わないが、同区の事業所など要望があった15カ所については同市原町区の原町郵便局から配達する。 
 原発事故の避難区域内で郵便局の再開は、飯舘村の二枚橋郵便局に続き2例目。避難区域では双葉郡など25局が引き続き休業を余儀なくされている。

カテゴリー:福島第一原発事故