東京電力福島第一原発内の地下貯水槽から汚染水が漏れた問題で、10日に楢葉町の福島復興本社で記者会見した広瀬直己社長は「大変なご迷惑、心配をお掛けした。本当に申し訳ない」と県民に謝罪し、「あらゆる経営資源を投入して全社一丸で対応していきたい」と述べた。
記者会見は定刻より約20分遅れで始まり、広瀬社長、相沢善吾副社長、石崎芳行副社長(福島復興本社代表)が出席した。広瀬社長の冒頭のあいさつに続き、そろって深々と頭を下げた。
広瀬社長は対策を説明する中で「一日も早く」「大至急」などと繰り返し、迅速に対応する姿勢を強調した。11日以降、関係者が県や双葉郡の自治体などを訪問し、対策について説明するという。
■SC室を設置
東電は10日、社会の尺度や目線に合ったリスクコミュニケーションを推進するための組織「ソーシャル・コミュニケーション室(SC室)」を設置した。室長は社外から招く予定だが、当面は広瀬直己社長が兼務する。
SC室は、日常的に原発立地地域や社会の気持ちに寄り添って行動することを社内に徹底するための活動などを行う。非常時には経営陣に対し、対応方針を提言する。
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