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【本県への職員派遣】 技術系確保 苦戦 全国的に不足 復旧・復興へ影響懸念

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復旧・復興に当たる福島県は、土木や建築など技術系派遣職員確保に苦戦している。各都道府県や国に平成26年度分として168人の派遣を要請した。25年度に派遣された137人を上回っており、希望数に達するかは不透明だ。技術系職員は全国の自治体で足りず派遣する余裕がないことが背景にある。本県は災害公営住宅建設などが本格化する。復旧・復興を加速する上で影響が懸念される。

■直接要請
 職員の派遣は、本県と岩手、宮城の被災3県が全国知事会を通じて各都道府県などに要請している。本県は幹部職員が都道府県に足を運び、派遣協力を直接訴える「異例の対応」(県)を続けている。
 県が昨年11月末に26年度分として派遣を要請した職員数は技術系の168人を含め241人。特に復興事業に欠かせない技術系職員の派遣を強く希望した。災害公営住宅の整備が本格化するため、建築職は今年度の派遣数に比べて13人増の28人、土木職は24人増の76人を求めた。
 26年度全体の要請数は25年度よりも55人少ない。県は25年度、過去最多の329人(獣医などの選考職種を除く)の正規職員を採用した。県は「採用を増やした正職員や任期付き職員でこなせる業務はこなす。業務が集中する技術系職員はそれでも不足する」と窮状を訴える。

■高い需要
 要請に対する派遣職員全体の各年度の充足率は70%台で推移している。
 一般事務を主とする行政職の充足率は80~90%台でほぼ安定している。一方、道路や堤防などの社会資本整備を担う土木職は50~90%台、ほ場整備や農業用水の復旧などを担当する農業土木職は20~90%台と年度により開きがある。
 派遣元となる各都道府県は行財政改革で職員数を減らしている。土木職や建築職などの人員は、大規模災害に備える国土強靱(きょうじん)化計画に伴う公共事業の増大に伴い不足している。景気回復による民需の活発化で民間企業でも「需要」が高く、人材の奪い合いが起きている。
 26年度の本県への派遣職員について全国知事会は「25年度並みの人数が確保できるか厳しい状況だ」としている。

■「任期付き」低迷
 県は23年度から任期付き職員の採用試験を始めた。行政職の倍率が10倍以上あるのに対し、土木職は2倍以下と低迷している。
 県は27年度中に災害公営住宅3700戸の完成・入居を目指している。同年度以降も1190戸の建設を計画する。また、県の一般会計予算事業の繰越が年々増え、除染など公共事業が消化できない状態が続く。
 県は今春の人事作業を進めており「職員の採用や外部委託などの業務の見直しで、できる限りの対応をする」としている。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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