東日本大震災アーカイブ

シラウオ漁の試験操業始まる 相双沿岸海域で

試験操業で漁獲したシラウオを釣師浜漁港に水揚げする漁業関係者

 本県沖の試験操業で初めてのイシカワシラウオ漁が5日、相双地区の沿岸海域で始まった。小型船による試験操業の漁獲対象では3魚種目。本県沖では1~4月ごろに漁獲できる小ぶりな魚で、相馬双葉漁協が固定式刺し網漁で週2回程度実施する。
 初日は新地町の釣師浜漁港から7隻、南相馬市鹿島区の真野川漁港から2隻が出て地元の沖合3~5キロで操業した。目が細かい専用の網を海の中に張り、時間を経てから引き上げた。帰港後、透明に輝いた魚を棒を使って網からたたき落とす作業などを行った。合わせて約270キロを漁獲し、相馬市の松川浦漁港に陸送で集めた。放射性物質サンプル検査で安全性を確認し、県内外に出荷した。
 釣師浜漁港から出た同試験操業委員長の菅野光広さん(41)=新地町=は「やはり海で魚を捕ることは漁師の励みになる」と語り、操業を見守った町船主会長の小野春雄さん(62)は「久々に港が活気づいた」と喜んだ。
 いわき市漁協は漁場の状態を見ながら、早ければ今月中旬にシラウオ漁の試験操業を始める見込み。

カテゴリー:福島第一原発事故