シャープは、東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く富岡町に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を新設する。同町への原発事故後初の企業進出となる。同社が東北地方でメガソーラー事業を行うのも初めて。平成27年6月の運転開始を目指す。5日、郡山市で開かれた町議会全員協議会で町が明らかにした。
町と同社によると、建設予定地は町内本岡の富岡工業団地で、3.1ヘクタール事業用地に、2190キロワット(2メガソーラー)の発電設備を建設する。年間発電見込み量は230万2千キロワット時で、一般家庭約600世帯分に相当する。東北電力に全量売電する。発電事業期間は完成後20年間。
4月にも町と基本協定を締結し、町民への説明などを経て12月にも土地賃貸契約を結ぶ予定。その後、発電所建設工事を進める。町には富岡工業団地の借地料や固定資産税が収入として入る。同社は町の復興に向け、協力金を支払うことも検討している。
同社の担当者が5日の町議会全員協議会に出席し、事業計画を説明し、売電益を活用して地域に貢献する方針などを示した。
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