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【ALPS試運転1年】汚染水処理 期待外れ 浄化完了不透明 トラブル防止急務

 東京電力が福島第一原発の汚染水処理の切り札として導入した「多核種除去設備(ALPS)」は試運転開始から30日で1年を迎える。1日平均の処理量は11日現在、約180トン。相次ぐトラブルによる停止などで、1日に発生する汚染水約400トンの半分にも満たない。東電は増設で、平成26年度内にタンクに貯蔵している汚染水約34万トンの浄化完了を目指している。だが、トラブルが起きないことが前提で、計画通りに進むかどうかは不透明だ。

■増え続けるタンク
 東電は昨年3月30日、三系統のALPSのうち、「A」と呼ばれる一系統で試運転を開始した。同年6月中旬に「B」、同9月末に「C」と呼ばれる系統の試運転を始めた。今年2月12日には初めて三系統同時の試運転がスタートした。
 ALPSの汚染水処理のイメージは【図】の通り。1日当たりの一系統の処理能力は250トンで、三系統が稼働すれば750トンの処理が可能だ。しかし、試運転開始後にトラブルが相次ぎ、11日現在までに処理した汚染水の総量は6万2792トンにとどまる。1日当たりの処理量に換算すると平均約180トンで、1日に発生する汚染水約400トンの半分にも達していないのが現状だ。
 高濃度の汚染水を保管する地上タンクは増え続けており、16日現在、約1100基、貯蔵量は約34万トンに上る。東電は平成26年度内に全てのタンクの汚染水を浄化させる目標を掲げている。だが、目標達成には1日当たりの処理能力を1960トンまで上げる必要があり、処理能力の向上が急務だ。

■増設頼み
 東電は4月以降、試運転から本格運転に切り替え、三系統を常時稼働させる。10月に三系統を増設する。さらに政府は同時期に1日当たり500トンの処理能力を持つ高性能ALPS一系統を整備する。
 現在の処理態勢と10月以降の見通しは【表】の通り。東電のALPS六系統と、政府が新設する高性能ALPS一系統がフル稼働すれば、最大で1日2000トンの汚染水を処理できると見込んでいる。
 ただ、あくまでもトラブルによる停止がないことが前提だ。ALPSでは、試運転開始から作業員のミスなどが原因での停止が相次いでいる。特に、昨年9月下旬には作業員がタンク内部に作業で使用したゴム製シートを置き忘れる人為ミスも起きている。増設後、順調に汚染水処理を進めるには、作業員のミスが原因のトラブルを防ぐ対策が不可欠だ。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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