東日本大震災アーカイブ

被害認定を正式決定 家屋の荒廃 復興庁、富岡町に通知

 復興庁は、東京電力福島第一原発事故による長期避難で放置されている家屋の荒廃について、被害と認定することを正式に決定し、31日、認定を求めていた富岡町に通知した。
 国は半壊以上と被害認定された家屋を環境省の災害廃棄物処理事業で解体し、費用も負担するとしている。通知では、認定の際、原発事故の避難で長期間放置してきたことによる雨漏りやカビ、動物被害なども考慮して判断することを認めた。認定時期についても「震災直後」ではなく「調査時点」と緩和した。
 富岡町では、従来の認定基準による1次調査で、半壊に満たない「一部損壊」と判断された家屋が全体の8割に当たる4190戸に上っている。従来の基準には荒廃に関する項目がなく、町は「実態に即していない」として、国に改善を求めてきた。今回の認定見直しで、復興の妨げとなっている町内の荒廃家屋の解体が進むとともに、解体後の除染の進展などが期待される。
 復興庁は「地域の実情に応じ、荒廃を含めた家屋の被害の実態を踏まえて判断した」と説明。宮本皓一町長は「粘り強く要望してきた結果で、町の復旧・復興、まちづくりに大きな前進だ。他の避難町村にも波及する」と評価した。

カテゴリー:福島第一原発事故