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放射線影響考えにくい 甲状腺がん50人確定で県民健康調査検討委

 東京電力福島第一原発事故を受けた県「県民健康調査」検討委員会は19日、福島市の杉妻会館で開かれた。原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、対象者約8割のうち甲状腺がんが「確定」した人は、前回(2月)から17人増えて50人になったとする結果が正式に公表された。検討委の星北斗座長(県医師会常任理事)は「これまでの科学的知見から、現時点では放射線の影響は考えにくい」との見解をあらためて示した。
 「がんの疑い」とされた人は39人(前回は41人)。「確定」の50人、「疑い」の39人に加え、手術の結果「良性」と判明した1人を含む計90人は、震災当時6~18歳だった。このうち34人については、原発事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計でき、2.0~2.5ミリシーベルトが1人、1.0~2.0ミリシーベルトが12人、1.0ミリシーベルト未満が21人だった。
 甲状腺検査は東日本大震災時に18歳以下の約37万人が対象。今回で約28万7千人の一次検査の結果がまとまり、2070人が二次検査の対象となった。
 一次検査は超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形を調べ、「A1」「A2」「B」「C」と判定し、大きさが一定以上で「B」と「C」とされれば二次検査で血液や細胞などを調べる。3月までに一巡目の検査が終わり、4月から二巡目に入っている。
 次回の検討委は8月に開く予定で、一巡目の検査結果のほぼ全てをまとめて公表する方針。一部の委員から「長期間にわたり、放射線の影響を慎重に見極めるべきだ」との意見も出ており、一巡目の総括が注目される。

■問診票回答率25.9% 前回比0.9ポイント増

 基本調査(対象者205万5585人)の問診票の回答状況も報告された。3月末現在で53万2046人から回答があり、回答率は25・9%で、前回(2月)から0・9ポイント上がった。
 県は、問診票の回答率向上のため、簡易版の問診票を作成し、昨年11月末から12月中旬にかけて、未回答者約25万人に発送した。4万4191人から回答があった。
 ただ、簡易版を含めた問診票の回答率には地域差があり、相双地区は45・1%で最も高く、県北地区28・6%、いわき地区23・7%で続いている。最低は南会津地方の18・2%だった。

■市町村別結果を公表

 検討委では、平成23~25年度の甲状腺検査の対象市町村別の検査結果が公表された。しこりの大きさなどを調べる一次検査で約28万7千人の結果が判明し、2070人が二次検査の対象となった。
 検査結果は【表(1)】の通り。23年度は原発周辺などの13市町村の4万1981人が一次検査を受けた。一次検査で、二次検査が必要とされる「B」「C」と判定されたのは218人で、このうち193人が詳細検査を終了した。8市町村の14人が甲状腺がんの診断で「確定」または「がんの疑い」とされた。
 24年度は中通りなどの13市町村の14万946人が一次検査を受診し、991人が二次検査対象となった。二次検査受診者のうち、九市町村の54人が甲状腺がんの診断で「確定」または「がんの疑い」とされた。
 25年度は中・浜通りを中心に会津地方を加えた34市町村の11万2584人が一次検査を受け、861人が二次検査の対象となった。6市町村の21人が「確定」または「がんの疑い」とされた。

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