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地下水きょう放出 第一原発 まず560トン、廃炉監視協了承

 東京電力は20日、福島第一原発の汚染水対策として、原子炉建屋に流れ込む前の地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」計画を21日に初めて実施すると正式に発表した。午前10時に海へ放出する。東電は計画の実施で一日に発生する汚染水を100トン減らせるとしているが、くみ上げ用井戸の汚染防止対策など課題は多い。
 計画は、20日に福島市で開いた県や地元市町村、専門家でつくる廃炉安全監視協議会で、政府と東電の担当者が手順を説明し、了承された。
 東電は21日の放出で、一時貯留タンク(容量1000トン)に保管している地下水約560トンを福島第一原発港湾外の外洋に流す。放出は約2時間で終わる見通し。タンクに保管している地下水の放射性物質濃度は、東電が定めた排出基準(セシウム134とセシウム137がそれぞれ1リットル当たり1ベクレル、トリチウムが同1500ベクレル)を下回っていることが確認されている。
 22日以降、当面は週1回程度のペースで放出する方針。
 東電は今後、12カ所ある井戸の地下水の放射性物質濃度を週1回ずつ測定する。さらに、月1回の割合で東電と第三者機関の日本分析センターが詳細分析を実施し、地下水の放射性物質濃度の推移を監視する。

■くみ上げ用井戸の 汚染防止など課題
 東電は汚染水対策の柱の実施にようやくこぎ着けた。しかし、12カ所ある井戸の汚染を防げるかなど安定的な運用には事前対策などの課題が山積している。
 昨年8月、井戸の山側約100メートルの位置にある地上タンクから汚染水300トンが漏えいした。地下水バイパス稼働に向けた井戸の水の分析では、1カ所の井戸でトリチウムが排出基準を上回る1リットル当たり1600ベクレル検出された。東電は昨年8月にタンクから漏れた汚染水の影響の可能性を示唆した。
 東電は、これ以上の漏えいが発生しないよう接合部をボルトで締めた「フランジ型」のタンクから「溶接型」のタンクへの置き換えを急ぐが、漏えいが起きない保障はない。
 東電は20日、汚染された地下水を海洋に放出しないようにする対策も発表した。井戸で排出基準を上回る値が検出された場合、その井戸からのくみ上げを停止する。ただ、他の井戸からのくみ上げは継続する。排出基準を超えた井戸の水は再分析し、下回った場合にくみ上げを再開する方針だ。
 この日の協議会で委員からは、機材の故障や操作ミスで想定外のトラブルが起きる可能性を指摘する意見が出た。委員の一人は「人為的ミスは必ず起きる。事故を前提にした対応も必要だ」と事前対策の強化を訴えた。

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