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県外最終処分を法に明記 中間貯蔵廃棄物 環境相が大熊、双葉町長に言明

 東京電力福島第一原発事故で発生した除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、石原伸晃環境相は27日、郡山市で大熊町の渡辺利綱町長、双葉町の伊沢史朗町長と会談し、廃棄物の30年以内の県外最終処分を法律に明記すると初めて伝えた。施設を管理・運営する国の特殊会社の関連法を改正し、施設整備から最終処分まで政府が責任を持つとの内容も盛り込む。

■法改正 国の責任盛り込む
 中間貯蔵施設はポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物処理施設を全国各地で管理・運営している特殊会社「日本環境安全事業」(JESCO)が管理する。同社の設置などを定めた関連法を改正、政府が責任を持って30年以内に県外で廃棄物を最終処分すると明記する方針だ。会社名は「中間貯蔵」を用いたものに変更し、組織も見直す。
 JESCOは毒性の強いPCBの処理や管理、輸送で10年間の実績がある。環境省は、危険物を取り扱う技術や知識が放射性物質を含む廃棄物の管理にも応用できるとみている。
 同省は一時、新たな法律の制定や福島復興再生特措法の改正を検討した。しかし、政府内での協議に時間を要し、平成27年1月を目標とする除染廃棄物の中間貯蔵施設への搬入開始に、法整備が間に合わなくなると判断。同省が監督するJESCOの関連法改正で対応する。
 会談で石原環境相は「国が責任を持って施設の運営を管理する」と強調した。県外最終処分の法制化について、会談に同席した内堀雅雄副知事は「法制化について踏み込んだ対応をしてくれた」と理解を示した。ただ、県は特殊会社の業務を厳しく監視するよう政府に要望していく。
 環境省は31日に始まる中間貯蔵施設の住民説明会で廃棄物の県外最終処分の法制化を示し、「施設が最終処分場になる」という大熊、双葉両町民の不安を取り除きたい考え。

■用地賃貸借地域振興策 明言避ける
 会談で石原環境相は、地元の求める中間貯蔵施設用地の賃貸借と地域振興策について明確な回答を避けた。
 石原環境相は用地の補償について「将来使えるようになる土地」とした上で、適正な金額を支払うと説明。土地売却後も住民票を残せるよう政府内で調整していると明らかにした。しかし、地元住民が求める用地の賃借については「検討する」との回答にとどめた。
 地域振興策についてはこれまでの説明と同様、極めて自由度の高い交付金を大熊、双葉両町に直接交付する方針を伝えただけで具体案には触れなかった。交付金の規模は施設受け入れの判断時期までに提示する。今月末から始まる住民説明会では、住民が用地の賃貸借や地域振興策の詳細な説明を求めると予想され、渡辺、伊沢両町長は早急に具体案を示すよう政府に求めた。
 中間貯蔵施設は県内の除染で出た汚染土壌などを最長30年間保管する。政府は大熊、双葉両町にまたがる第一原発の周辺を用地として利用する計画で、平成27年1月の使用開始を目指している。

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