東日本大震災アーカイブ

被災者の心のケア情報交換 福島で学会 「職員の15%うつ病」発表も

福島医大のグループがまとめた発表を見る関係者

 日本トラウマティック・ストレス学会は17、18の両日、福島市の福島グリーンパレスで開かれている。全国から約400人が参加し「こころのケアの未来~荒廃から新生への道標として」をテーマに、被災者らの心のケアについて情報交換している。
 毎年開いており、13回目。本県での開催は初めて。福島医大や全国の医療機関の担当者が、メンタルヘルスケア、うつ病診断の問題点などに関する研究成果を発表している。
 このうち、福島医大の前田正治教授(災害精神医学)らのグループがまとめた東京電力福島第一原発事故で避難区域となった県内のある自治体で、職員約100人の15%がうつ病と診断されたとの調査もパネルで発表された。
 今後の支援と課題について、医師会や地元医療機関との連携、他の自治体での調査実施の重要性を訴えており、前田教授は「職員自体も被災者。自助努力では解決できない。職員をケアするシステムづくりが急務」と語った。

カテゴリー:福島第一原発事故