米国のミドルテネシー州立大の学生が福島大の短期留学プログラムで本県を訪れ、被災地の現状に理解を深めている。5日は福島市のJA新ふくしまを訪れ、農作物の放射性物質検査について学んだ。
プログラムは外国人学生に東京電力福島第一原発事故後の県内の現状を学んでもらうことで、母国での正確な情報発信につなげるのが目的。同大の学生が来県したのは平成24年から3年連続で、今回は再生可能エネルギーや農業について学ぶ10人が3日、来県した。一行は同JAのモニタリングセンターで、今野文治危機管理センター長から放射性物質測定器の仕組みや測定方法などについて説明を受けた。学生らは積極的に質問し、流通している本県産の農作物の安全性について確認した。
参加したダニエル・マーシーさん(3年)は「原発事故後、福島の食べ物などへ恐怖感があったが、福島を訪れ、安全性について理解できた」と話した。
学生らは引き続き、同市飯坂町のあづま果樹園を訪れ、果樹栽培や放射性物質対策などについて学び、サクランボを試食した。土湯温泉でバイナリー発電も見学した。
学生は15日まで県内に滞在する。相馬市でホームステイし、幼稚園や仮設住宅で暮らす住民と交流するのをはじめ、南相馬市で震災ボランティア活動、二本松市でファームステイなどを体験する。
(カテゴリー:福島第一原発事故)