いわき市漁協と小名浜機船底曳網漁協は26日、それぞれの漁協として東京電力福島第一原発事故後初となるシラスの試験操業を開始した。
市内の7漁港から、両漁協合わせて17隻が出港した。同市沿岸域の水深25~45メートルで捕れた計約3トンを、各漁港に水揚げした。このうち、小名浜漁港の分について小名浜魚市場で放射性物質検査を行った。放射性セシウムは検出されなかったため、茨城県北茨城市の水産加工業者に引き渡した。
シラスはゆで干しされ、福島県内外の各市場やスーパーなどに出荷される。両漁協は19日の試験操業開始を予定していたが、漁場の状況から実施を延期していた。
勿来漁港から出港した「涛栄丸」で船頭を務めた今泉学さん(35)は「初めとしてはまずまずの量が捕れた。早く消費者においしいシラスを味わってもらいたい」と話した。船主で父親の安雄さん(57)は「ようやく試験操業が始まり、若い世代が前向きに漁をできるよう引き継いでいきたい」と語った。
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