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首都圏でも支える 東京に避難者相談サロン

番來舎開設準備のため集まった支援者。前列右が滝川さん。後列中央が番場さん

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難者らの相談に応じてきた南相馬市原町区の市民団体「ベテランママの会」代表の番場さち子さん(53)は15日、首都圏での支援拠点「ママ応援サロン&学び舎 番來(ばんらい)舎」を東京都目黒区に開所する。運営には東日本大震災後に学習支援などで南相馬市を訪れていた東大生らが協力する。物件探しなどの苦労はあったが、避難生活を続ける被災者の不安を和らげたい一心で開設にこぎ着けた。「話を聞いてほしい人を放っておけない」
 支援拠点は井の頭線駒場東大前駅から徒歩1分のマンションの1室。8日は番場さん、東京の支援者らが集まり、棚や机を組み立てて開所に備えた。
 番場さんはボランティアで本県からの自主避難者や、放射線への不安を抱く首都圏在住者らの相談に応じてきた。喫茶店などで会うと、相談者は周囲を気にした。泣きたくても泣けなかった。震災の年から首都圏の拠点が必要と思っていた。
 しかし、福島県の人に事務所を貸してくれる人は見つからなかった。物件を見るため乗り込んだ東北新幹線で「オーナーが福島の人には貸せないと言っている」と、不動産屋から電話が入ったこともあった。東京の福島を見る目を思い知らされた。「やっぱり無理か」と諦めかけた時、助けを求める新たな電話が入るのが常だった。
 先月紹介されたのが今回の物件だった。家主は福島を特別視しない人だった。約90平方メートルあり、食事も宿泊もできる。相談者が人目を気にせず泣ける場所だった。
 ベテランママの会は、南相馬市原町区で塾を経営する番場さんが高校の同級生らとつくった。家賃をひねり出すため、学童保育も考えたが、進学塾を併設した。

■被災地支援で絆 東大生らも協力
 灘高(神戸市)や広島学院高(広島市)から被災地支援で訪れた高校生が東大に進学していた。同会の相談活動や放射線の説明会開催、子どもの学習支援などの取り組みに触れた学生らは「番場さんがやることなら」と、何人かが進学塾で有償のボランティアで講師を務めてくれることになった。その1人、滝川陸さん(18)=東大理科二類=は「知人に頼まれたからという軽い気持ち。結果的に被災地支援につながればうれしい」と話す。
 番來舎は福沢諭吉がつくったサロン「萬來舎」の名前にちなんだ。番場さんは「避難者や福島からの進学者はもちろん、東京の人も悩んでいる。誰でも相談に来てほしい。2年は続けたい」と話している。問い合わせは番場さん 携帯電話090(9034)8728へ。

カテゴリー:福島第一原発事故

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