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【労災事故急増】第一、第二原発作業員2人死亡 汚染水対策で作業員大幅増 安全管理に課題

 東京電力福島第一原発と第二原発で作業中の労災死亡事故が相次ぎ、作業場での安全管理が課題になっている。第一原発では19日に地上タンク内に落下した作業員が20日に死亡し、第二原発では同日に作業員が点検用器具に頭を挟まれ死亡した。汚染水対策の工事が続く第一原発は平成26年度、労災事故の発生件数が急増している。東電は作業員の増加に伴い一人一人の作業に管理が行き届かないのが一因とみており、現場の安全確認の徹底を急ぐ。

■第一は2件目
 福島第一原発で19日に雨水を貯蔵する地上タンクの上部から協力企業の男性作業員が落下した事故で、東電は20日、作業員が同日未明に死亡したと発表した。第一原発での作業中の死亡事故は原発事故発生後、26年3月に土砂の下敷きになり1人が死亡して以来2件目。
 双葉署によると、死亡したのは広野町下北迫西町51、会社員釣幸雄さん(55)で、死因は多発外傷。東電によると、釣さんは19日午前9時10分ごろ、雨水をためるタンクの点検作業中、天板にある穴から約10メートル下のタンク内部に落下した。当時、空のタンク内では別の作業員2人が内部の点検作業をしていた。
 第二原発では20日午前9時30分ごろ、廃棄物処理建屋と呼ばれる建物内で、いわき市平城東2の7の16、会社員新妻勇さん(48)が濃縮器の点検用の容器と架台の間に頭を挟まれ死亡した。
 第一原発における労災事故は26年度が11月末時点で40件となり、前年度同期の12件と比べ3倍以上に急増している。
 第二原発は26年度が20日現在で5件で、前年度の6件と比べ横ばい。

■絶対数
 東電は第一原発での労災事故の増加について「作業員の絶対数の増加が背景の1つ」と説明し、人員増加に伴い一人一人の作業に対して安全管理が行き届かない点を一因に挙げた。
 福島第一原発は25年度は1日当たり3000人台で推移していたが、大勢の人員を要する汚染水対策の土木工事が敷地内で本格化し、26年度は昨年12月末現在で約2倍の六千数百人に上っている。
 第二原発に現地事務所を置く会社の作業員は19日現在で約1300人。前年同期の約1100人と比べ約200人多い。一部の人員は第一原発で働くという。
 19日に第一原発で発生した死亡事故は、男性が落下防止の安全帯を腰に装着しながら、使った形跡がなかった。東電によると、タンク上部の天板部に上がるなどの高所作業では、安全帯の使用が定められているという。
 第二原発で20日に発生した死亡事故は、本来は約700キロある点検台の容器を固定してから行う作業だったが、固定しないまま作業をしていた。
 死亡事故を受けて、東電の姉川尚史常務は「原則として守るべき手順、行動が不十分だった」と陳謝した。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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