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職員90人解雇 小高赤坂病院と浪江の西病院 東電、就労不能賠償を終了

休業が続く小高赤坂病院。再開を見通せず、職員の解雇を決めた=1月

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域内の小高赤坂病院(南相馬市小高区)と西病院(浪江町)は26日までに、再開に備え在籍していた職員計90人の解雇を決めた。東電による就労不能損害賠償の対象期間が今月末で原則終了し、雇用の継続が難しくなった。区域内の病院の有無は住民の帰還判断に影響する。病院関係者は「国と東電は実態に合った賠償制度を整えるべき」と訴える。
 避難区域の民間病院は4施設あるが、既に今村病院(富岡町)と双葉病院(大熊町)は職員を解雇しており、全ての民間病院が一部の役職員を除いて職員を失う。
 小高赤坂病院は渡辺瑞也院長(72)と事務長が再開の道を探るため残り、他の45人の職員を3月末で解雇すると決め、職員に文書で通知した。
 渡辺院長は「苦渋の決断だ。待っていてくれた職員に申し訳ない」と苦しい胸の内を明かした。今後施設を再開する場合、医療関係者をどれだけ確保できるかは見通せない。「原発事故さえなければ、現在のような危機的な状況に陥らずに済んだ。国や東電の対応に不条理さを感じる」と憤った。
 西病院は損害賠償などの対応に当たる高塚昌利事務長(58)ら役職員3人を除く45人を今月末で解雇する。高塚事務長は「被害を受けた住民や施設が元の状態に戻るまで賠償を継続するべきだ」と訴えた。
 病院から解雇通知を受けた男性職員(52)は「再開を願っていただけに残念。新たな就職先を探さなければならないが、簡単には見つからない」と嘆いた。
 今回解雇を決めた小高赤坂、西の両病院は原発事故に伴い休業に追い込まれた。避難指示の解除や住民の帰還は見通せず、再開のめどは立っていない。在籍している職員の社会保険料などを負担しているが、給料は払えない状況が続く。職員の多くは東電から就労不能損害賠償を受けているという。
 両病院は、就労不能損害賠償の支払いが終わった後も雇用を続けると、収入のなくなった職員が別の仕事に従事しにくくなるとしている。原発事故発生前まで医師や看護師ら約80人をそれぞれ雇用していた。
   ◇  ◇
 避難区域内の公的病院の南相馬市立小高病院(南相馬市小高区)、県立大野病院(大熊町)、双葉厚生病院(双葉町)は原発事故発生後、関連する他病院に職員を配置するなどし対応した。自ら退職した職員もいる。市立小高病院は26年4月に外来診療を再開した。

カテゴリー:福島第一原発事故

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