東日本大震災の被災地を結ぶ巡礼路の設置を目指す一般社団法人「東北お遍路プロジェクト」(仙台市)は23日、本県と宮城県の沿岸部の現状理解を深めるバスツアーを相馬市などで実施した。
日本財団が政府と連携して進める「海でつながるプロジェクト」の一環。一般から参加者を募ったツアーは初めて。東北お遍路プロジェクトは福島、青森、岩手、宮城4県の沿岸部に鎮魂の巡礼路の整備を目指し、2月に53カ所を巡礼地に選んだ。
県内外から22人が参加した。巡礼地になっている相馬市磯部の稲荷神社・寄木神社では、新妻香織理事長(相馬市)が被災状況や海岸部の復旧状況をはじめ、高台にあるため、震災時は多くの住民が避難してきたことを説明した。
一行は相馬市内で魚介類の放射性物質検査体制も学んだ。広島市の新多美智恵さん(76)は「被害の大きさを実感した。今後も被災地に寄り添っていきたい」と話した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)