財務省東北財務局の河野一郎局長は10日、福島民報社のインタビューに対し、財政、金融面で県民を支える考えを示した。
-抱負を。
「一番の仕事は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の加速だ。財政と金融機関の監督業務を中心に、役に立てる業務がないか検討したい。金融機関が地域に資金を融通しているかなど確認していく」
-県内の経済情勢をどうみるか。
「回復しているが、今後は公共事業が減る中で本来の地場産業の復興が重要になる。福島は原発事故の影響で国の地方創生を同時に進めていくのは難しい面があるが、復興の次は地方創生の取り組みになる」
-金融機関への対応は。
「5年先、10年先を見据え持続可能なビジネスを指導している。金利競争では収益が上がらない。営業活動が厳しくなっている浜通りの金融機関にわれわれも助言する。これからのビジネスモデルを考えてほしい」
-県民へメッセージを。
「震災で大変だと思うが財政、金融面で支援していく。地元から何が必要かを聞き、対応したい」
かわの・いちろう
大阪府出身、京都大経済学部卒。昭和60年に旧大蔵省入省。金融庁検査局総務課長、財務省中国財務局長、金融庁証券取引等監視委員会事務局次長など歴任。52歳。
(カテゴリー:福島第一原発事故)