東日本大震災アーカイブ

屋根パネル撤去完了 1号機燃料取り出しへ前進

 東京電力は5日、福島第一原発1号機の建屋カバー解体作業で、6枚あった屋根パネルの最後の1枚を撤去した。平成32年度中に予定している使用済み核燃料プールからの燃料取り出しに向けて1歩前進した。
 午前7時ごろに作業を開始し、大型クレーンで最後の屋根パネルを取り外した。周辺の放射線量に大きな変化はなかった。今後、建屋上部のがれきの状況調査に入る。解体による放射性物質の飛散を防ぐ散水設備の設置に向け、支障となる鉄骨の撤去などを進める。28年度中に壁パネルの取り外しに着手する予定。
 屋根は幅約7メートル、長さ約42メートルのパネルを6枚並べた構造で、7月下旬に1枚目を撤去。放射性物質の飛散防止剤の散布や建屋内部の調査を行いながら1枚ずつ取り外した。
 1号機の建屋カバーは放射性物質の飛散を抑える応急措置として23年10月に設置された。25年度中に解体予定だったが、3号機のがれき撤去中に放射性物質が飛散したことを受けて解体時期を変更。その後もクレーンのトラブルなどで作業が遅れていた。

カテゴリー:福島第一原発事故