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透析患者に精神賠償 東電と県腎臓病協合意

 県内の人工透析患者らでつくる県腎臓病協議会は22日、東京電力福島第一原発事故当時、避難区域を除く中通りと浜通りの医療機関で透析治療を受けていた患者約4200人に、精神的賠償として1人当たり4万円を東電が支払うことで合意したと発表した。
 協議会や県によると、特定の疾病患者団体と東電が賠償で合意したのは初めて。原発事故直後に医療機関に患者が殺到したため透析治療の中断や回数削減、時間短縮などを余儀なくされ、健康の悪化や生命の危険に対する恐怖や不安が生じたとして東電が精神的損害を認めた。賠償総額は少なくとも1億6千万円に上る。
 事故当時の県内患者約5500人のうち、中通りと浜通りの全ての患者が対象となる。既に1人当たり月額10万円の精神的損害賠償が支払われている避難区域などの患者は含まれない。会津地方の患者も原則として対象外だが、東電は「個別事情が認められれば賠償したい」としている。
 協議会によると、東電と交渉を開始した平成23年11月以降、1000人以上が亡くなっているという。このため、患者の遺族も賠償を請求できるようにした。協議会の長谷川裕会長は「患者の今後を考えると、これ以上交渉を長引かせられない。苦渋の判断だが、前例のない規模の賠償を勝ち取ったと思う」と語った。
 賠償額の4万円は、透析患者の裁判外紛争解決手続き(ADR)での和解額を基に東電が示した。ただ、あくまでも賠償見込み額で、個別事情で増減するとしている。
 東電は22日から請求を受け付けている。申請書と障害者手帳の写しが必要になる。請求手続きは東電福島原子力補償相談室 フリーダイヤル(0120)926404へ。午前9時から午後9時まで。

■「類似ケース応じるべき」
 東電原発被害損害賠償弁護団副事務局長の紺野明弘弁護士(福島市)は「本来なら会津地方も含め一律4万円とすべきだが、ADRや民事訴訟に至らずに合意した点、避難区域などを超えて広く賠償した点は評価できる」とした。
 原子力災害の損害賠償に詳しい除本理史大阪市立大教授は「国に支援が任されていた避難区域外の患者の賠償を認めた点で画期的だ。東電は、他の類似ケースでも同様に賠償に応じるべきだ」と求めた。

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