両腕を失い口に筆をくわえて創作した日本画家、故・南正文さん(大阪府堺市)の遺族は22日、いわき市の藤間中と豊間中にそれぞれ南さんの絵画を贈った。
南さんは東日本大震災直後の平成23年7月、藤間中で講演し、目標に向かい努力する大切さを訴えた。校舎が津波被害を受けたため、同校で学んでいた豊間中の生徒も聴講した。その後も交流が続いたが、24年12月に病気で亡くなった。遺志を受け継いだ妻弥生さんが、両校に作品の寄贈を申し出た。
贈呈式はいわき市平下高久のかねまん本舗で開かれた「よみがえれ磐城の里のえびすこう」の席上、行われた。弥生さんは「両校との縁に感謝する。主人の絵を大切にしてほしい」とあいさつした。藤間中にはヒマワリの絵、豊間中にはコスモスの絵が贈られた。
藤間中3年の宿屋壮純(そうじゅん)君は「大切に管理したい」、豊間中3年の山廼辺(やまのべ)礼子さんは「絵を見て頑張っていきたい」と感謝した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)