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【東京五輪 農産物提供】県、新年度から補助 制度普及へ農家の理解鍵

 平成32(2020)年に開かれる東京五輪・パラリンピックの関連施設での県産農産物の提供に向け、農地の安全性を客観的に評価する第三者認証「J-GAP(ジェイ・ギャップ)」の認証取得が課題となっている。県は28年度から認証取得を促すための補助に乗り出す方針だ。しかし、県内で認証を受けているのは2カ所だけで、五輪までにどれだけ普及できるかは不透明だ。

■わずか2カ所
 J-GAPは、日本GAP協会が農薬の適正使用や放射性物質の検査体制、農地の放射性物質対策などを審査し、農地の安全性にお墨付きを与える制度。4年前のロンドン五輪でも選手村など関連施設では、英国内の第三者認証を受けた農地で生産された農産物に限って提供された。県は東京五輪でも認証が食材提供の条件になるとみている。
 県内で取得しているのは福島市の果樹園と会津若松市の植物工場のわずか2カ所。北海道の70カ所や千葉県の15カ所に比べ、認証取得が遅れているのが現状だ。認証取得には150万円程度の費用が掛かる上、制度のメリットがあまり理解されていないのが要因とみられる。

■好機
 県は東京五輪を県産農産物の安全性を世界にアピールする好機と捉えている。五輪は夏に開催されるため、主力農産物のモモなどの果実や夏野菜などの食材提供を想定している。
 これらの食材を生産する農地の認証取得を後押しするため、28年度当初予算案に1600万円を計上した。審査や研修会への参加などの費用として150万円を上限に補助する。年間10カ所程度、31年度までに40カ所程度の認証取得を目指す。
 県の幹部は「東京五輪で全世界においしさや安全性をアピールし、大会後の海外への輸出につなげたい」と意気込む。

■面倒なイメージ
 ただ、認証取得には費用面以外にも障壁がある。約150項目に上る審査に合格しなければならない。さらに、2年に1度、認証の更新が必要となる。
 二本松市で稲作農家を営む男性(56)は「認証を取る必要性を感じない。審査項目が多く、ただ面倒なイメージがある」と打ち明ける。
 県環境保全農業課の担当者は「認証取得のメリットの浸透に努めるとともに、農家の負担を軽減し、取得を後押ししていきたい」としている。

■背景
 東京五輪の大会組織委員会は、関連施設での食材の調達方針(フードビジョン)を平成29年までに決める方針。全国農業協同組合中央会(JA全中)など国内の農林水産関係団体が1月に発足させた「持続可能な日本産農林水産物の活用推進協議会」は、組織委に選手村など関連施設で提供する食材の条件としてJ-GAPの認証を提言する予定だ。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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