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復興の歌古里に響く 芸能県人会南相馬公演

相馬流れ山を熱唱する原田さん

 古里・福島を思い、歌と踊りで心一つに-。18日に南相馬市で開かれた芸能福島県人会のふるさと公演で、県ゆかりの芸能人が東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災地に元気を届けた。浪江町出身で県人会長の原田直之さんは復興の願いを歌に込めた。出演者の心のこもったステージに感動の輪が広がった。

■「最高の感動、感激」 原田直之さん、小藤悠芸さん
 原田さんの「相馬流れ山」の歌声とともにステージの幕が上がると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
 朗々とした歌声には復興を願う熱い感情がにじんでいた。故郷の浪江町は原発事故で全町避難を強いられている。震災直後は歌うことがつらい時期もあった。しかし、震災後の慰問活動の中で、涙したり笑みを浮かべたりする住民の姿を見て、歌の力をあらためて思い知った。「歌に入れる古里への思いが格段に深まった」と話す。
 大勢の観客で埋まった会場には浪江町民の姿もあった。「最高の感動。古里っていいなあ。開催して本当に良かった」と充実した表情を見せ、「次は別の地域でやることも考えたい」と今後の活動への意欲を語った。
 あでやかな日本舞踊でステージを彩った小藤流宗家家元の小藤悠芸(ゆうき)さんは、原発事故に伴い避難区域となっている南相馬市小高区の出身。震災で小藤流の発表会が中止になるなどの困難を乗り越え、活動を続けてきた。「地元開催に感激している。皆さんの元気につながってくれたならうれしい」と話した。

■来場者「元気もらった」
 12年ぶりの県内開催を心待ちにしていたファンが、開場前に長い列をつくった。
 一番乗りは川内村から駆け付けた三瓶のり子さん(71)。「震災や原発事故でつらい経験をした。5年の節目に原田さんをはじめとする多くの芸能人が来てくれて、夢のようだ」と目を輝かせた。
 会場には相馬流れ山や会津磐梯山など県土に受け継がれてきた民謡が響き渡り、県内各地から詰め掛けた観客が手拍子を取りながら聞き入っていた。
 最後はいわき市ゆかりの故霧島昇さんの名曲「誰か故郷を想わざる」を出演者全員で合唱。客席では古里を思い涙ぐむ原発事故の避難者も。会場全体が一体となり、感動のフィナーレを迎えた。
 南相馬市小高区から同市原町区に避難している末永豊明さん(82)と綾子さん(77)夫婦は「元気をもらった。これからも頑張っていきたい」と感激した様子だった。

■主な出演者
 ◇出演者▽民謡=原田直之、伊庭末雄、伊藤はじめ、小野田浩二、佃光堂、福本えみ、根本美希▽歌謡=新田晃也、三原有加里、岬はなえ、福島一、福島一兵、大原未登里、黒羽三郎、北川裕二、高田京子、津山洋子、高樹一郎、東山優子、鈴木ヤスシ▽クラシック=遠藤優子、鈴木葉子▽舞踊=小藤悠芸
 ◇運営=若松甲
 ◇司会=尾形明美、一谷伸江(敬称略)

■県人会に寄付 東京イーストLC
 芸能福島県人会副会長の津山洋子さん(石川町出身)が所属する東京イーストライオンズクラブ(LC)は復興支援に役立ててもらおうと県人会に10万円を寄付した。
 ステージで東京イーストLC会長の持田和之さんが県人会長の原田直之さんに浄財を手渡した。LC幹事の反保耕二さん、副幹事の牧島弘充さん、副会計の牧島よしみさん、津山さんの夫で初代LC会長の高樹一郎さんが同席した。
 東京イーストLCは県内の被災地に物資支援などを続けている。

カテゴリー:福島第一原発事故

あでやかな舞を披露する小藤さん

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