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帰還困難の復興拠点 「整備は国負担」明記へ

 政府は20日にも閣議決定する「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」の案をまとめた。帰還困難区域内に設ける復興拠点の除染を含む整備費用は東京電力に求償せず、国が負担すると明記した。除染・解体事業は国が実施し、インフラ整備事業は国の財政支援で市町村が担う。
 13日の自民党東日本大震災復興加速化本部幹部会で示した。復興拠点整備を「新たなまちづくり」と位置付け、当面の予算は東日本大震災復興特別会計を充てる。原則、東電負担となる除染事業とは区別する。政府が8月にまとめた帰還困難区域対応の基本方針では明確にしていなかった。
 指針の主な内容は【下記】の通り。帰還環境整備に取り組むまちづくり会社などの法人は福島復興再生特別特措法に位置付け、活動を支援する。福島相双復興官民合同チームの体制強化や福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想実現への拠点整備なども盛り込む。東電には復興拠点整備で除染などに人的協力するよう求める。
 基本指針は自民、公明両党が8月に安倍晋三首相に提出した第6次提言を踏まえ、政府として展開する復興施策の方向性を明確化する。政府は基本指針に基づく関連事業費を当初予算案に計上し、福島復興再生特措法を改正する。

【原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針案の主な内容】

■避難指示の解除と帰還に向けた取り組みを拡充
・中間貯蔵施設は国が県、市町村と連携して取り組みを進める
・避難指示解除準備区域、居住制限区域の平成29年3月までの解除に向けあらゆる施策を総動員

■帰還困難区域の復興に取り組む
・特定復興拠点を整備する計画を市町村が策定し国の認定を受けた場合、インフラ事業の国による代行などを活用できるようにするなどの措置を盛り込み福島復興再生特別措置法を改正
・除染とインフラ整備を一体的に行う仕組みの整備
・復興拠点の整備は復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するため東電に求償せず、国の負担で実施
・当面の整備計画の実施に係る予算は復興特別会計で措置。除染・解体は除染特措法に基づく事業とは区別して整理した上で実施。インフラ整備事業は国において必要な措置を講じ、市町村などが実施
・東電に対し最大限の人的協力を指導

■新たな生活の開始に向けた取り組みなどを拡充
・福島イノベーション・コースト構想の推進のため福島特措法に構想を位置づけ、関係者の会議を創設
・まちの復興やコミュニティー再生などの帰還環境整備に取り組む法人の福島特措法への位置づけ

■事業・生業や生活の再建・自立に向けた取り組みを拡充
・福島相双復興官民合同チームの中核である福島相双復興推進機構を福島特措法に位置づけ
・農業分野について営農再開グループの活動で取り組みを支援
・学校での放射線教育の支援を進め、避難先の子どもたちがいじめに遭わないよう効果的な対策を講じる

■廃炉・汚染水対策に万全を期す
・タンクに貯蔵している高性能多核種除去設備などによる処理水の取り扱いは、社会的な観点などを含めた総合的な検討を実施

■国と東京電力がそれぞれの担うべき役割を果たす
・被災者・被災企業への賠償は引き続き東電の責任で適切に行う
・除染特措法に基づく除染・中間貯蔵施設事業の費用は復興予算として計上した上で、事業実施後に東電に求償
・東電は福島への責任を貫徹するため、必要な資金を捻出できる企業へと生まれ変わるため非連続な経営計画を断行する

カテゴリー:福島第一原発事故

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