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46事業者「帰還再開」 避難区域12市町村の商工業者

 東京電力福島第一原発事故で避難区域が設定された12市町村の商工業者を対象にした事業再開状況調査で、平成27年に避難先などで移転再開したか休業していた計1374事業者のうち、46事業者(3%)が28年に南相馬市小高区や楢葉町などに帰還して再開したことが分かった。国、県、民間による福島相双復興官民合同チームが26日、公表した。

 対照的に、27年の初回訪問時に南相馬市や広野町などに帰還して再開したと答えた519事業者のうち、28年の再訪問時に15事業者(3%)が避難先などで移転再開したか、休業したに変化した。古里の商圏が消失・縮小し経営難に陥ったり、健康を崩したりしたことなどが理由という。
 事業を再開するかどうかの意向調査では、初回訪問時に「避難先などで事業を継続・再開したい」「事業の継続・再開は難しい」「分からない」としていた計976事業者のうち、107事業者(11%)が合同チームの訪問支援を受ける中で「地元に帰還して事業を継続・再開したい」と考えを変えた。
 一方、「地元に帰還して事業を継続・再開したい」と考えていた1003事業者のうち、避難先などでの事業継続・再開、事業断念、未定と判断を変えた事業者は113事業者(11%)に上った。
 調査は再訪問を実施した1979事業者を対象に集計した。避難指示解除や事業再開支援の拡充、時間の経過などを背景に事業判断が揺れ動いたり、古里で事業を再開しても経営難や健康問題などを理由に休業したりする実態の一端が初めて明らかになった。
 合同チームの角野然生事務局長は「(事業再開は)時間との勝負になってきている」として事業者支援を急ぐ考えを強調した。

■営農再開支援で個別訪問 官民合同チーム来春から

 福島相双復興官民合同チームは平成29年度から、避難区域が設定された12市町村での営農再開を支援するため農家への個別訪問に乗り出す。避難区域の基幹産業である農業を再生させるため、営農再開意向を把握し農地集約や集落営農の再開につなげる。
 12市町村の約1万農家に対し、営農再開の意向や合同チームの訪問を受け入れるかどうかのアンケートを実施している。1月中旬に結果を取りまとめ、4月から個別訪問を実施する。
 国や県などは合同チーム内の営農再開グループの人員を増やし、訪問・支援体制を拡充する方針。合同チームが商工業者向けに実施している販路開拓・6次化支援事業やコンサルタント事業などを農業分野でも展開する方向で調整する。
 合同チームが認定農業者を対象に実施した訪問活動では「帰還しない人の農地を集積してほしい」「周りの農家が戻っていないので草刈りや水路管理ができない」などの声が上がっていた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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