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2148億円減額補正 除染など遅れ要因 県の28年度一般会計

 県の平成28年度一般会計補正予算案は2148億円の減額で、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の2月補正では最大となった。内堀雅雄知事が15日に発表した。道路や森林の除染が仮置き場確保の問題などから想定通りに進んでいないのが大きな要因。企業立地関連で企業側が資材価格の高騰などで着工を見送ったために減額した例も少なくない。減額補正の6割に当たる1332億円は29年度当初予算案に既に再計上しているが、復興に向け予算を効率的に執行する上での課題が浮かび上がった形だ。
 減額補正では、市町村除染対策支援事業費などの除染関連予算が1104億円で全体の5割を占める。
 県は面的除染の28年度内の完了を目指し、当初予算に2290億円を計上。昨年の9月補正で1915億円を増額し、総事業費は過去最大の4408億円となった。このうち4088億円を発注したが、市町村道の除染廃棄物の仮置き場が確保できないことなどから、年度内に除染を完了するのは3184億円分にとどまっている。未完了分の予算と事業費の確定に伴い減少した分などを2月補正で減額する。
 工場の新増設や設備投資を支援するふくしま産業復興企業立地支援事業費(企業立地補助金)は当初予算で458億円を計上したが、140億円を減額した。資材価格の高騰をはじめ建設作業員の不足、計画の変更などの理由で、工場の新増設などが県の見込み通りには進まず、完了件数が想定を下回ったのが背景にある。
 このほか、中小企業グループ施設等復旧整備補助事業(グループ補助金)に244億円を見込んでいたが、応募・交付件数が想定を下回り116億円を減額した。災害公営住宅整備促進費は38億円を減らした。
 29年度当初予算案に再計上した1332億円は除染や企業立地関連予算で、残る816億円の一部は国に返還する。
 補正予算案は23日の2月定例議会に提出する。補正後の28年度予算は累計2兆1215億円となる。震災と原発事故後の2月補正で最大の減額は24年度の316億円。
 震災と原発事故以降で最大の減額となったことで、復興予算はあっても使い切れていない執行状況があらためて浮き彫りとなった。
 県幹部は「復興事業は初めての事業ばかり。正確に予算を見込むのは難しい」と説明する。さらに「市町村が求める復興事業に円滑に対応できるよう、多めに予算を確保する必要もある」と明かす。
 29年度への繰り越し分を除く816億円の一部は国に返還するが「復興事業の予算執行の難しさは国も理解している」として補助事業の未執行分はあらためて申請する方針だ。
 ただ、国も厳しい財政運営が続いている。県は必要な予算額をさらに精査するとともに、除染については実施主体の市町村に早期完了の指導を強める。企業立地の対応については補助金の採択企業への聞き取りを進め、計画の進捗(しんちょく)状況の把握に努めるなど、事業の円滑化に向けた対策を検討する。

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