会津地方に避難している大熊町民で組織する「おおくま町会津会」は11日午後1時から会津若松市の町役場会津若松出張所で「3・11おおくま復興祭」を開く。平成28年3月で終了した同出張所での追悼行事を未来につなごうと、会津地方に残る町民有志が準備を進めている。
追悼行事は町生活支援ボランティアセンターが24年から毎年開いてきた。町民の中通りや浜通りへの引っ越し傾向の強まりや、同センターを運営する町社会福祉協議会のいわき市移転などのため、震災後5年の節目である昨年で終了した。同会をはじめ、会津地方に暮らす有志らが追悼行事の必要性を呼び掛け有志での継続を決めた。
つるしびなを昨年4月から手分けして作り続けてきた。活動はそれぞれ不定期だったが、継続が実り約30のつるしびなが当日、会場を彩る。
このほか震災前の大熊町の映像資料の上映、町を再現したジオラマの展示、町民有志によるオカリナ演奏やミニカフェも催される。震災が発生した午後2時46分に合わせてキャンドルに点灯し、黙とうする。
おおくま町会津会の浅野孝会長(64)は「町民の人口が減り続ける会津で公的な追悼イベントがいわき市に移るのは仕方ない。でも『あの日を忘れない』という心は皆同じ。会津に残る有志で続けていきたい」と話す。
つるしびなやジオラマ、パネルなどの展示、ミニカフェなどは同13、14の両日も午前10時から午後3時まで開かれる。
(カテゴリー:福島第一原発事故)