県は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故からの復興に向け、浜通りで「地域コミュニティー形成」「産業振興」「防災力向上」などを新たな基本方針としたまちづくりを市町村と連携して進める。7日に福島市で開いた県都市計画審議会の専門委員会で都市計画区域マスタープラン(基本計画)の見直し案が示された。
相馬地方といわき市の都市づくり基本計画の主な方針は【下記】の通り。「地域コミュニティー形成」のうち、相馬地方では長期の避難で離れ離れになった住民や新たに居住し始めた労働者らなどの動きを踏まえ、住宅地整備や交流の拠点づくりなどを進める。いわき市でも住民と避難者らの交流促進などに向けたまちづくりに取り組む。
「産業振興」では、相馬地域はJR新地駅周辺の住宅や商店など都市機能を強化。福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を実現するため、ロボットやエネルギー産業を集積する都市づくりを促す。いわき市では津波被災地の農地を再整備する。「防災機能向上」では、両地域ともに防潮堤などインフラの強化を推進する。
県は市町村や住民の意見を踏まえ、平成29年度中の改定を目指す。
【相馬地方都市計画の新たな方針】
・長期避難者や労働者の受け入れなど人口流動を踏まえた地域コミュニティーの維持・再生
・JR新地駅周辺への都市機能の誘導
・防潮堤、かさ上げなど多重防御による防災機能の強化
・ロボット産業、エネルギー産業の集積による産業・雇用を支える都市づくり
【いわき都市計画の新たな方針】
・地域コミュニティーの調和に配慮したまちづくり
・小名浜港周辺の一体整備の推進
・沿岸部の農地の再整備
・地域ごとの都市機能の分担と公共交通による連携充実
(カテゴリー:福島第一原発事故)